最近の感染増加と重症化について
-その理由と対策-

最近の状況

昨年の12月下旬から今年に入ってさらに新型コロナウイルス感染症の重症者や死者が目立って増えたという報道が多くなり、若年層でも重症化や後遺症に苦しんでいる人がいるとか、自宅で療養している人の重症化や死者が増えているという。相変わらずマスコミや政府は不安を煽ることしか能がないようです。

PCR検査の陽性がイコール新型コロナウイルス感染症であるなら、感染者数の増加は去年から間違いなく増えているでしょう。しかし、PCR検査陽性は何らかのウイルスに感染している可能性があるかもしれないが、新型コロナウイルス感染症の陽性では必ずしもないのです。この点を明確に(特定)しないまま報道しているのであるから問題としか言いようがありません。

また、毎年インフルエンザ関連で亡くなる人が統計上1万人前後いるようですが、この感染症ではまだ半分くらいです。このような比較もないまま死者が増加しているとか重症者が増えているという報道は、感情が先行しているか、あるいは何かの意図を持った報道としか考えられません。この問題については追及しなければならないことが多いが、調査する時間的ゆとりがないので詳しいコメントは避けますが、一つだけはっきり言えることは脅しをかけて不要不急の外出禁止を暗に強要しているということです。

また、今回の報道内容を読んだり聞いたりしていると、何故重症化したり亡くなっているのかという明確な理由が伝わってきません。

最近変異種が増えたからということや、医療崩壊(*)したことによるというわけでもないのです。

今回は、感染者が増え、重症者や死者が増えていることの理由を“環境(気候風土)とウイルスとの関係”や“精神状態と重症化の関係”、“クスリと重症化の関係”という観点から捉えてみようと思います。また、その対策も記します。

(*) 脆弱な日本の医療と題して、病床の稼働率はまだ20%以下であるにもかかわらず医療崩壊ということの問題点を読売新聞(1/9)は指摘している。

環境(気候風土)とウイルスとの関係

日本の冬は風邪やインフルエンザなどが流行(はや)る時期です。新型コロナウイルスも当然感染拡大蔓延してもおかしくはありません。それは気温が下がり乾燥することによって、多くのウイルスが活性化するからです。

ところでPCR検査は新型コロナウイルスだけに反応するのでしょうか。どうもそうではなくて少なくとも8種類のウイルスを感知するという情報もあります。風邪のウイルスやインフルエンザなどです。従って、新聞に毎日感染者数があがっていますが、理論的にはその8分の1が新型コロナウイルス感染症の可能性があるということです。感染者数が2000人いたとすれば250人がこの感染者ということです。

いずれにしろウイルスが活性化する時期ですから風邪をはじめ多くのウイルス感染が増えますので、その対策が重要課題です。

この時期で大事なことは保温と保湿を心がけることです。天気の変化には敏感に対処する必要があります。外出時は寒くない服装で、かといって汗をかくような厚着は考えものです。また、のどを保護するマフラーや衣服がおすすめです。

また、室内では保温(23度以上)、保湿(50%以上)に常に配慮する必要があります。 就寝時の注意では電気敷布団や敷毛布のかけっぱなしは避けなければいけません。保温は確保できますが体の内外の乾燥により感染しやすくなります。昔からある湯たんぽや行火(あんか)が良いでしょう。もちろん元気な人はいらないと思います。

精神状態と重症化の関係

相変わらず政府マスコミは一般の人の不安を煽っているということを繰り返し私は言っていますが、そのことの重大性が分かっていないからです。

それは生命力の消耗につながり感染していれば、自然治癒力(生命力の一機能)の発現が起こり難くなるため容易に重症化するということが全く無視ないし軽視されているのです。自宅療養者であればなおさら不安が強く容易に重症化することが考えられます。ではどうしたら良いのでしょうか。

第1弾から今までその解消のために文章や実践法をホームページに載せたり、文章化したものを直接治療に訪れた人には配布しましたが、ここでもう一度まとめてみます。

以上詳しくは、第4弾「心の安定を得るために―敵を知り己を知る1-」を参照

以上詳しくは、第5弾「心の安定を得るために―敵を知り己を知る2-」を参照

クスリと重症化の関係

薬の多くは対症療法薬と言って、つらい症状を抑えるだけで治しているわけではありません。治すのは体に備わる自然治癒力です。これが発現して病気を治し正常にしてくれるのです。従って、この力を最大に発揮できるように援助するのが治療では最も大事なのですが、この対症療法薬は往々にして自然治癒力の発現を妨げることがあります。

例えば、発熱ですが、多くの人は熱が上がることを恐れ、すぐに下げようとします。しかし、発熱は新陳代謝を活発にして自然治癒力の発現を促し、ウイルスの排除や免疫力を上げようと体が一生懸命働いている結果なのです。従って、すぐに薬で解熱したり、体を冷やしてその熱を下げるのはウイルスを内攻させたり、免疫力低下につながりますから良くありません。むしろ体を保温したり温かいものを摂って、自然治癒力を活発化させる必要があります。発熱の原因、例えばウイルスが排除されれば、自然に発汗し解熱するのです。

頭痛はどうでしょうか。これもすぐに痛み止めを飲んで治そうとする人が多いでしょう。しかし、これは血管が拡張することにより起こりますが、ウイルスを不活化する免疫細胞(キラーT細胞)等がより多く集まり易くしているのです。のどの痛みも同様です。

また、鼻水や咳や痰はそれによりウイルス除去を促します。従って、それらを抑える薬もすぐには飲まないで様子をみることです。多くの症状は3日くらいで治まることが多いのです。

下痢もウイルスなどを腸管から排除するのを促進する自然治癒力の働きの結果ですから、すぐに止めないで水分とミネラル分を補給し自然に止まるのを待つことが大事です。かつてO157の集団感染(2016年)で下痢止めを使用して死者が出たことはまだ記憶に新しいことです。

以上のようにすぐに対症療法薬で抑えることは賢明な方策とは言えません。感染の初期段階では特にそうです。ところが、多くの場合、医師も一般の人もすぐに薬で対処しようとします。自然治癒力に援助するどころかかえって妨げてしまっています。その結果、軽症で治癒するものも内攻して重症化している可能性が高いことが考えられます。特に、自宅で療養している人は不安のあまりこのような薬を飲んでかえって重症化し、死に至っている可能性が大です。

多くの人は自然治癒力の存在を知らないで薬が治すと思っています。また、多くの症状は、悪いもの(細菌やウイルス、代謝産物等)を自然治癒力が排除する過程で出ているということを知っている人はさらに少ないと思います。

では薬が有害無益かというと、そんなことはありません。上記の症状をはじめ種々の症状が長引けば、体力の消耗が起こります。その時に一時的に用いることは生命力の温存になりますから服用の時期と回数を間違わなければ非常に意味があります。

おわりに

今回は感染者が増えたり重症化する理由について述べました。また、その対策も少し書きました。この中のクスリについては、第8弾の「感染症に罹ったら」で説明しましたが、大事な内容なので少し視点を変えて説明しました。

2度目の緊急事態宣言が発令されて一ヶ月が経ち、感染者数が大分減少してきていますから、時期がずれてしまっていると思われる人もいるかもしれません。しかし、まだ梅雨の時期までは油断できません。クスリの使い方を間違えると大変なことになりますので、もう一度確認のために書きました。

治療で最も重要なことは、クスリなどをすぐに服用することではなく、心の安定と体の安静を図ることが第一です。次に自然治癒力を阻害する条件をできるだけ取り除くことです(詳しくは第8弾“治療とは何か”の項を参照)。そうすれば、この力が十分発揮され治癒します。

蓬治療所(阿佐ヶ谷)のホームページアドレスはhttp://asagaya-hou.com