伝統医療による新型コロナウイルス感染症予防の具体例 その1

自己按摩法

自己按摩法は、中国古代から導引按蹻の一つとしてとして行われていたものが、日本に伝わり江戸時代の代表的養生書である養生訓(貝原益軒著)等に紹介され奨励されています。また、気功法も導引按蹻の一つですが、この2つを基に私なりに作り上げた方法です。
この感染症はまず初めに上気道や肺などの呼吸器系を侵す疾病ですから、呼吸器(肺)系統に関係した部位を対象に手技を行います。そうすることによって、肺系統の気血の流れ(循環)が良好になり感染症予防となります。また、体質的、薬物の副作用、病気等で脾(消化器)や腎(泌尿生殖器)系等に異常がある場合にはこの調整も併せて行います。
以下の説明では分かりにくいと思いますので、実際に所長自らが通しで行っている様子と、一般のかた向けに解説している様子を載せますので、参考にして下さい。

感染症予防の自己按摩法(回数:最低8回(秒)~8×3回、1日3回まで)

1. 顔面部(鼻部・口部)

  1. 左右の鼻翼を左右の第2指(第3指を重ねた)腹で押しながら前方に回転する
  2. 左右の鼻底を左右の第2指腹で鼻翼から目の内眼角まで上下に撫でる
  3. 左右の鼻翼の外方約2mm(迎香)を左右の第2指腹で後方に押し続ける
  4. 左右の顎(③の部位と同じ高さ)で口を開けると窪む所(頬車)を左右の第2指(第3指を重ねた)腹で押しながら前方に回転する
  5. 上歯で下歯を叩くこと(叩歯)を繰り返す(1度に32~64回)

2. 前頚部(喉頭隆起・缺盆部)上胸部(肋間・胸骨)

  1. 喉頭隆起の基底部を第1指と第2指とでつまみ左右に動かす(8往復)
  2. 前頚部にある筋肉(胸鎖乳突筋)の前縁を右(左)側は右(左)の第1指で顎の下から鎖骨上縁まで、外側(そとがわ)に揉みながら8回で下る
  3. 左右の第2、3、4指を揃えた指頭で前頚部下縁(鎖骨中央上縁)を持続的に押す(8秒×3回)
  4. 上胸部(鎖骨部下縁から第3肋間)を第2、3、4指腹で胸骨外側から外方に撫で(左(右)上胸部は右(左)手で8往復行う)
  5. 胸骨部の上部と中部のそれぞれに手掌を当てる(1回30~60秒)

3. 後頚部(僧帽筋腱外縁・頚骨部)

  1. 側頚部(僧帽筋腱の外縁(天柱))を右(左)側は左(右)の第3指腹で頭の付け根から肩の付け根まで内側(うちがわ)に揉みながら8回で下る
  2. 第7頚椎部(頭を前に倒すと一番隆起する頚椎(大椎))に手掌を当てる(1回30~60秒)

4. 脾・腎系の按摩法

  1. 𦜝の中央部に手掌を当てる(1回30~60秒)
  2. 𦜝の下約5㎝に手掌を当てる(1回30~60秒)

解説版の動画